【R6修了式 校長講話】
皆さん、おはようございます。本日をもって令和6年度が終了します。この1年、皆さんは多くの挑戦をし、それぞれの目標に向かって努力を続けてきました。その歩みは決して平坦なものではなかったかもしれません。しかし、今日ここに集まっている皆さんは、1年間を通じて確実に成長し、大きな成果を残したと思います。
今年度を振り返ると、阿南祭やクラスマッチなど多くの印象的な出来事がありました。クラスでの学び、部活動での努力、友人や先生方、また、地域の方との交流など、成功も失敗も様々な経験を重ねました。それら全てが、皆さん自身の成長の一部となり、未来を切り拓く力となっていると思います。
今日は、飯田市出身のロックバンド「グリムスパンキー」を紹介します。
豊丘村出身の松尾レミさんと、飯田市出身の亀本寛貴さんによるこのバンドは、今年メジャーデビュー10周年を迎え、飯田市で記念すべき凱旋ライブを昨日(3月23日)行いました。みなさんの中にもこのライブに足を運んだ人や、実行委員として携わった人もいるかもしれません。きっと、心に残る素晴らしいLIVEになったと思います。ライブ行っていない自分が、グリムスパンキーのことを語るのはためらいますが、以前勤務していた学校で、軽音クラブの顧問をしていた経験もあり容赦ください。
グリムスパンキーは2007年に松川高校在学中バンドを結成し、2014年にメジャーデビューを果たしました。その音楽は、60~70年代のロックやブルースを基調とした独自のスタイルが特徴です。松尾さんの情熱的で独特な歌声と、亀本さんの緻密なギターは、多くの人々の心を強く揺さぶり高い評価を得ています。彼らの歩みで特に注目したいのは、高校時代、出身の松川高校には軽音部がなかったため、地元のライブハウス「CANVAS」のスタジオに通い、自分たちの音楽を磨き続けたことです。その情熱と努力が、今日の成功へと繋がってると思います。その頃、彼らを支えてくれた人物が、今回の凱旋ライブの実行委員長でもあるライブハウスCANVASの桑原俊彦さんです。桑原さんは当時から、高校生バンドを熱心に指導し、親身になってサポートしてくれるとても頼りになる存在でした。私自身も軽音部の顧問時代、桑原さんには大変お世話になりました。松尾さんや亀本さんが高校時代に置かれていた環境は、東京や大都市のような恵まれたものではありませんでした。しかし、「自分たちの音楽を届けたい」 「もっと多くの人に知ってもらいたい」 という強い思いを抱き続け、その努力が実を結びメジャーデビューへと繋がったと聞いています。「地元飯田から全国、そして世界へ」という挑戦の姿勢は、多くの人々に勇気と希望を与えています。松尾さんは「どんな小さな場所からでも、夢を追いかければ道は開ける」と語っていますし、亀本さんも「努力を続けることで、自分の可能性を広げることができる」と述べています。困難に直面しても諦めず、自分を信じて挑戦を続けることが大切だと物語っていると思います。
高校生活は、自分の可能性を試し、新しいことに挑戦する絶好の機会です。クラブ活動や勉強、人間関係など、思うようにいかないことも多いと思います。しかし、グリムスパンキーのように、自分の夢や目標を信じて努力を続ければ、必ず道は開けます。
さて、春分の日を過ぎ、自然界では冬の間じっと耐えていた命が動き出しました。草木が芽吹き、鳥たちがさえずり始め、春の訪れを肌で感じられる季節です。みなさんの高校生活も今日という一区切りに、新たな成長へと向かう準備を始めましょう。
4月4日の新年度の始業式で、また全員揃って元気な姿で会うことを楽しみにしています。それでは、良い春休みを過ごしてください。