阿南高校 R7校長ブログ

「泳げないもの」と向き合う勇気 〜映画『はい、泳げません』〜

2025年10月9日 20時20分
校長ブログR7

 本日午後、阿南高校では平和・人権学習の一環として、映画『はい、泳げません』を鑑賞しました。

 この作品は、水への恐怖を抱える主人公・小鳥遊雄司が、ある女性との出会いをきっかけに、過去の記憶と向き合いながら少しずつ心を開いていく物語です。

 主人公の「泳げない」という困難は、単なる身体的な問題ではなく、心の奥にある痛みや記憶と深く結びついていました。その主人公が自らの意思で水泳に挑む姿には、自分自身と向き合いながら、一歩を踏み出そうとする人の姿が重なります。誰かに強いられるのではなく、自分で選び取ることの大切さを、教えてくれるようでした。

 また、彼の恐怖の背景には、他者には見えにくい「心の痛み」がありました。その痛みに寄り添い、理解しようとする周囲の人々の姿勢から、人と人との関係において、「気づき」や「支え合い」がどれほど大切かを感じさせられました。

 生徒たちがこの映画を通して、「自分を知ること」「他者を理解すること」「違いを認め合うこと」の大切さに気づき、互いに寄り添い、支え合えるような関係を築いていってくれることを願っています。

里山に輝く紫の実り ーコムラサキー

2025年10月9日 10時38分
阿南🌸blog

 朝の通勤途中、例の如く脇道にそれ、阿南高校近くの里山に足を踏み入れると、紫色の小さな実がびっしりと枝に連なる木に出会いました。

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 かつて畑か棚田だったかもしれない道路脇、今は荒れ果て草木が生い茂っていますが、その中に静かに佇むコムラサキ(ムラサキシキブの仲間)を見つけました。秋の里山に咲く宝石のようです。

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 写真の植物は、平安の才女・紫式部にちなんだムラサキシキブの仲間で、実の密集具合や葉のギザギザ(鋸歯)からコムラサキかと思われます。

特徴 コムラサキ ムラサキシキブ
実のつき方 びっしり まばら
葉のギザギザ(鋸歯) 葉の上半分に鋸歯 葉の全体に鋸歯

 コムラサキ・ムラサキシキブはシソ科の落葉低木で、春から夏にかけて淡紫色の小花を葉陰にひっそりと咲かせ、秋には鮮やかな果実を実らせます。花は控えめながら、秋の実りはご覧のとおりとても見事で、鳥たちの貴重な食料にもなるようです。学名「Callicarpa」はラテン語で「美しい果実」を意味し、花言葉には「上品」「聡明」といった言葉だそうです。

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 紫は古来より高貴さや知性の象徴とされ、日本文化の中でも特別な色です。人目につかない場所で静かに輝くこの実は、日々の地味な努力が、やがて、美しく豊かな実りとなることを教えてくれるようです。

 昨日は日中は30度近く気温も上がり、まだ夏の名残が居残る今年の10月。それでも風に乗ってキンモクセイ(金木犀)の甘い香りが漂い、南信州 阿南にも間違いなく秋の気配を感る今日この頃です。季節は深まりつつあります。里山の彩りとともに、心豊かな秋を過ごせればと感じています。

秋季CM 〜熱気と笑顔に包まれた一日〜

2025年10月7日 19時23分
校長ブログR7

 本日10月7日(火)、本校体育館にて、秋季クラスマッチ①(②は競技種目を変えて11月下旬に予定)が開催しました。

 10月に入り雨模様が続いていましたが、今日は晴れ間ものぞき、体育館の外は夏を思わせる暑さ。バドミントンは天候に左右されない競技とはいえ、生徒たちのプレーの熱気はそれ以上のものがありました。

8面コートで展開された白熱の試合

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 全校生徒122名という本校の規模を活かし、体育館全体に8面のコートを設置。ダブルス形式で試合が途切れることなく進行し、生徒たちは思う存分プレーを楽しんでいました。本校独自の「10分1セットマッチで得点勝ち」というルールにより、短時間ながらも集中力の高い試合が展開され、体育館は終始熱気に包まれていました。

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 午前中はリーグ戦で全チームが何度も試合をこなし、午後はその結果を基にしたトーナメント戦で頂点を争いました。どのチームも仲間と声を掛け合い、一羽一羽に集中する姿が印象的でした。

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男女とも優勝は2年B組、よって総合優勝は2年B組!!

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 激戦の末、男女ともに、そして総合優勝の栄冠に輝いたのは、最高学年の3年生を打ち破った2年B組。 競技の最後には、優勝した2年B組と職員チームによるエキシビジョンマッチも実施。教員と生徒が真剣にシャトルを追いかける姿に、会場全体で応援・観戦し、クラスマッチの素晴らしい締めくくりとなりました。

生徒会の力と次回への期待

 今回のクラスマッチは、生徒会長・体育委員長をはじめとする3年生の生徒会役員が主導して企画・運営を担ってくれました。全校生徒にとってとても思い出深い一日となったと思います。つい先週、生徒会役員選挙を終え、新会長も決定したばかり。次回11月下旬の秋季クラスマッチ②は、新体制のもとで行われる最初の大きな行事となります。伝統を受け継ぎつつ、新しい風を吹き込んでくれることを期待しています。

 最後に  生徒の皆さんが規律を守り、準備から片付けまで協力してくれたおかげで、大きな怪我もなく無事に全日程を終了できました。この経験が、今後の学校生活への活力となることを願っています。

安心・安全な学校生活へ ーCAP研修で育む人権意識ー

2025年9月24日 15時33分
校長ブログR7

 本日9月25日、1年生を対象としたCAP研修がスタートしました。

 この研修は、いじめや暴力から自分と仲間を守るための大切な人権プログラムです。 特定非営利活動法人子ども・人権・エンパワメント CAPながのの方にお越しいただき、生徒たちは熱心に研修を行いました。

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 ロールプレイングやグループワークを通じ、自分の気持ちや意見を尊重する体験を重ねました。これにより、自己肯定感の向上や、他者との健全な関係を築くための力を育んでいきます。 また、劇を通しながら、身体的、言葉によるものなど様々な形の暴力やいじめについて知り、それに対し「いやだ」と明確に伝えることを学びました。

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 残りの研修プログラムは明日(9月26日)行われます。このCAP研修を通して、生徒たちが、より安全で安心できる学校生活を送るための力を身につけてくれることを期待しています。 

休部中のグラウンドに、希望の草刈り

2025年9月23日 19時47分
校長ブログR7

 先日(9月21日(日))、阿南高校野球部OBの方々が、野球部グラウンド(川田グランド)の草刈りにご協力くださいました。朝方までの雨も上がり、朝から晴天に恵まれる中、本当にありがとうございました。

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 連日の猛暑が少し和らいできたとはいえ、日中の気温が上がる中での作業は、大変だったと思います。OBの方々が、汗を流しながら、丁寧にグラウンドを整備してくださり、心から感謝いたします。

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 阿南高校に野球部が誕生したのは昭和57年(1982年)で、当初は軟式野球同好会でした。練習の場は天竜川の河原であったそうです。現在の野球部グラウンドの川田グランドは、昭和62年(1987年)3月20日、多くの関係者のご協力とご尽力によって完成しました。そして、念願の専用グラウンドができたことで、その年の夏、軟式野球部は硬式野球部に移行されました。(「長野県阿南高等学校五十年史」より)

 以降、この川田グラウンドで多くの野球部員が汗を流し、感動を分かち合ってきました。しかし、少子化に伴う生徒数の減少により、現在、野球部は休部状態が続いています。そんな中、母校の野球部のためにと、休日を返上してご奉仕くださったOBの皆様の温かいお気持ちは、頭が下がる思いです。 グラウンドをきれいな状態に保ってくださったOBの方々の想いが、いつの日か再び、この川田グラウンドで白球を追う生徒たちの姿が見られることを切に願っています。

 本当にありがとうございました。今後とも、阿南高校へのご支援、よろしくお願いいたします。

進路・選挙・考査 ―9月、生徒たちの挑戦―

2025年9月17日 09時30分
校長ブログR7

 9月も中旬も過ぎましたが、連日日中は35℃近まで上がり残暑が厳しいですが、虫の音や植物等から少しずつ秋の気配が感じられるようになりました。

 この時期、生徒たちはそれぞれに様々な「挑戦」に真剣に取り組んでいます。

 本日9月17日から、2学期の中間考査が始まりました。 試験初日の教室では、真剣な眼差しで問題用紙に向かう生徒たちの姿が見られました。昇降口の黒板には「用意周到」という力強い言葉が掲げられています。「しっかり準備してテストに臨もう!」という伊藤教頭先生からのメッセージは、日々努力を重ねてきた生徒たちの胸に深く響いたことでしょう。中間考査は、自分の成長を確かめる大切な機会です。これまで培ってきた力を信じ、最後まで諦めずに頑張ってほしいと願っています。

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 中間考査と並行して、阿南高校ではもう一つ大切な動きが始まっています。来年度の生徒会役員選挙の公示が行われ、いよいよ選挙戦が本格化していきます。10月2日には立会演説会と投票が予定されています。未来の阿南高校を担う1・2年生の中から、学校のために自ら行動しようとする頼もしい立候補者が誕生することでしょう。
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 新しい風を吹き込み、阿南高校をさらに魅力的な学校にしてくれるリーダーたちの活躍を楽しみにしています。

 先週9月13日(土)には、80名を超える生徒、PTAの保護者の皆様、地域の方々、同窓会の皆様、そして教職員が一体となり、校舎の環境整備作業として壁塗りを行いました。あいにく私は弓道の南信新人体育大会のため参加できませんでしたが、見違えるほど美しくなったろうかの壁を目にして、心より感謝いたします。雨も降り蒸し暑い中でのご協力、本当にありがとうございました。皆様のお力添えにより、校舎はより明るく、学びやすい環境へと生まれ変わりました。  

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 そして、先週9月12日には、3年生の就職希望者を対象とした就職試験激励会を行われました。早い生徒はすでに昨日から試験に臨んでいます。生徒たちは皆、真剣な表情で話を聞き、未来を切り開くための準備を重ねてきました。これまで積み重ねてきた努力は、きっと実を結ぶと強く願っています。

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 こうした様々な出来事を通して、生徒たちが日々成長し、多くの人々に支えられていることを改めて実感します。3年生はそれぞれの進路実現に向けて、1、2年生は学習やクラブ、生徒会等々と、これからも、生徒一人ひとりの挑戦を全力で応援していきます。

9月8日の皆既月食 ー時間・方角・観察ポイントー

2025年9月5日 16時15分
校長ブログR7

(台風15号の影響で、JR飯田線は昨日の夜の段階で「新城~駒ヶ根間」が始発から運転を見合わせるとの発表がありました。生徒やご家庭には昨晩メール連絡をし、今日は休校となりました。伊那谷の多くの学校でも同様に休校となったようです。)

 ところで、9月8日(月)の未明から明け方にかけて、とても神秘的な天体ショーが私たちを待っています。それは「皆既月食」です。

 空気が澄んで月が綺麗に見える9月。夜空に浮かぶ満月が、かじられていくかのように少しずつ欠けていき、やがて全体が暗く、そして不思議な「赤銅色」に染まる(ブラッドムーン)、とても貴重な瞬間です。

 日本で皆既月食が見られるのは、2022年11月以来、実に3年ぶりだそうです。月曜日(8日)からの学校(授業)のことを考えると少しためらってしまうかもしれませんが、可能であれば、夜空を見上げてみましょう!

『月食のしくみ』
 月食は、地球が太陽と月の間に入り、地球の影が月にかかることで起こります。

 太陽の光を浴びて明るく輝いている月が、地球の影の中に入ってしまうため、月に光が届かなくなり、暗く色が変わって見えるのです。

37F2F7FC-2625-43E0-93B9-EB374FB84E3D注)この図は、生成AI (Chat GPT)と協力して作成

『皆既月食を楽しむための時間と方角』

 皆既月食のハイライトは、月が地球の影にすっぽりと隠れる「皆既食」の時間です。この時、月は太陽の光が当たらず、ほんのりと赤く見えます。

 国立天文台によると、皆既食の詳しい時間は以下の通りです。
 * 皆既食の始まり: 9月8日 (月)午前2時30分
 * 食の最大: 9月8日(月) 午前3時12分
 * 皆既食の終わり: 9月8日(月) 午前3時53分

 特に午前2時30分から3時53分までが、最も赤く美しい「ブラッドムーン」を見られるチャンスだそうです。この間、月は南西から西の空低く(20度ぐらい)に見えるようなので、できるだけ西の空が開けた場所で空を見てください。

『なぜ月は赤くなる?』
 皆既月食の際、月が「赤銅色」に見えるのは、地球の「大気」が関係しています。

 地球の大気が、太陽の光の中から赤い光だけ(地球を避けるように曲がって)月に届けているからです。赤い月は、地球全体が月に映し出す、幻想的な影絵のようなものなのです。

『見られなかったら?』
 残念ながら、天気が悪かったり、深夜起きられずに見逃してしまった場合、次のチャンス(日本で皆既月食が観測できるの)は、2026年3月3日の未明から明け方にかけてだそうです。

 もしブラッドムーンを見ることができたら、きっと皆さんの心に美しい思い出が残ると思います!

【参照WEBサイト】
・国立天文台(NAOJ) https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/09-topics01.html
・アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/special/20250908lunar_eclipse/index-j.shtml

災害に備え、地域と連携する防災訓練! 〜「自分ごと」として〜

2025年9月4日 20時27分
校長ブログR7

 9月4日、阿南高校では地震災害を想定した防災訓練を実施しました。

 午前中のSHRでは、事前学習としてスライドを用い、地震発生直後の行動や揺れがおさまった後の対応について学びました。災害時にどのように行動すべきかを考えながら、命を守る知識を身につけました。

 午後には避難訓練を行い、生徒たちは速やかに体育館へ避難。その後、地元の防災士の上野さんをお迎えし、講演をしていただきました。

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 上野さんは、能登半島地震の被災地で実際に避難所支援に携わられた経験をお持ちで、現地の様子を写真とともに紹介してくださいました。

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 特に「避難所でのトイレ問題」に焦点が当てられ、吸水性高分子ポリマーを使った簡易トイレの方法を紹介していただきました。

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 さらに、「避難所トイレに何が欲しいか」というテーマでグループワークを行い、生徒たちが主体的に考える時間も設けられました。

 「プライバシーを守るための間仕切りやテント」、「消臭剤や芳香剤、消毒液」、「音姫」や「使用中の看板」など、高校生ならではの視点から様々なアイデアが出されました。

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地域との連携を深める訓練に

 今回の訓練には、阿南高校のあるの御供地区と中谷地区の区長さん方にもご参加いただきました。これは、災害時に地域の避難場所となる本校と、地域住民の皆さんが顔の見える関係を築くための重要な一歩です。生徒たちが真剣に訓練に取り組む様子をご覧いただき、いざという時に地域全体で協力するための第一歩を踏み出せました。

 今日の訓練を通して、生徒たちは災害への備えについて具体的なイメージを持つことができたはずです。防災を「自分ごと」として捉え、災害時に自分たちにできることを考える貴重な機会となりました。今回の学びを活かし、もしもの時に備える心を忘れずにいきたいですね。

生物基礎「体細胞分裂の観察」

2025年9月2日 19時11分
校長ブログR7

 本日、生物基礎の授業(1年生)で、タマネギの体細胞分裂の観察実験に取り組みました。

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 使用した材料は、事前に固定(細胞の活動を止める処理)や染色(染色体を見やすくする処理)、細胞の解離(細胞同士の結合を弱め、見やすくする処理)が施されたタマネギの根端です。生徒たちは根端の先端部分(1〜2mm)をスライドガラスの上で押しつぶす「展開」作業を行い、プレパラートを作成しました。

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 検鏡では、低倍率(150倍)で分裂期の細胞を探し、その後見つけた細胞を視野の中心に移動させ、高倍率(600倍)で詳細に観察です。

 教科書に載っているような分裂期の細胞は数少なく、ほとんどの細胞は分裂前の「間期」です。なかなか分裂期の細胞を見つけられず四苦八苦している生徒もいましたが、分裂期の細胞を根気よく探し、前期・中期・後期・終期とそれぞれの特徴的な染色体の動きを確認しようと懸命に観察を続けました。

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 ヒモ状に見える染色体の凝縮(前期)、細胞の中央=赤道面に並ぶ染色体(中期)、染色体が分裂し両極に分かれていく後期、そして新しい娘核や娘細胞の形成が見られる終期と、細胞分裂全体の流れを実感できたようです。

 班同士で見つけた分裂期の細胞を見せ合い、意見交換をしながら進めることで、活発な学びの場となりました。生徒たちは苦戦しながらも協力しあって、科学的な興味や観察力を育んでいました。

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センニンソウに似た花「ボタンヅル(牡丹蔓)」 ー葉に注目ー

2025年8月29日 11時11分
阿南🌸blog

 今朝の通勤途中、大下条のR151号線を外れ、学校に向かう道すがら、ふと道路脇に目をやると、白い小さな花が目に留まりました。遠目には、昨日このブログで紹介したセンニンソウ(仙人草)にそっくりですが、近づいてみると、そこには違う表情がありました。

 花はセンニンソウよりやや小ぶりで、直径は2cmほど。何より印象的なのは、やわらかくふわっと広がる雄しべの姿です。センニンソウ(仙人草)のような甘い香りはほとんどありません。そして、一番の違いは葉の形。ギザギザ(鋸歯)とした3つの小葉が特徴的です。

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 「ボタンヅル(牡丹蔓)」です。

 ボタンヅルという名前は、葉の形がボタン(牡丹)に似ているツル性植物であることに由来します。学名は Clematis apiifolia。この「Clematis」という属名から、園芸植物として愛されるクレマチスやカザグルマ(風車)の仲間であることがわかります。

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 見た目は繊細で可憐ですが、これも毒(プロとアネモニン)を持つ植物で、センニンソウと同じく皮膚に触れるとかぶれや水ぶくれを起こします。草刈りや扱いの際にはご注意を。

 秋が深まる頃には、ボタンヅルの花も白い綿毛の種子となり、風に揺れる姿を見せてくれるでしょう。

 今週初め(8月25日)に始業式を迎え、2学期がスタートしました。生徒たちの新しい歩みとともに、自然風景も少しずつ秋へと向かっています。来週はもう9月。足元の生物たちにも目を向け、季節の移り変わりを感じながら、まだまだ続きそうな残暑を過ごせればと思います。

白く香る仙人草 —その美しさと、ひそむ注意点—

2025年8月28日 09時28分
阿南🌸blog

 阿南高校前道路脇の法面に、ふわりと白い花がさいています。

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 今が見頃のこの花の名は「センニンソウ(仙人草)」。ツル性の植物で、夏の終わりから初秋にかけて、甘く爽やかな香りとともに小さな白い花を群れ咲かせます。

 その可憐な姿に、思わず手を伸ばしたくなる方もいるかもしれません。

 ですが、ここで少し注意が必要です。

 センニンソウは、実は毒性を持つ植物。茎や葉の汁には「プロトアネモニン」という成分が含まれており、肌に触れると皮膚炎や水ぶくれを引き起こすことがあります。私自身、以前うっかり素手で触れてしまい、水ぶくれができただれてしまった経験があります。

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 この植物には「ウマクワズ(馬不食)」という別名もあり、馬や牛も本能的に避けるほど。見た目の美しさに惑わされず、触れたり口にしたりすることは絶対に避けましょう。

 センニンソウの特徴は、十字に開く4枚の白いガク片と多数の雄しべ。よく似た花に「ボタンヅル」がありますが、葉の形で見分けることができます。センニンソウの葉は卵形で縁が滑らか、ボタンヅルは葉の縁にギザギザがあります。観察の際は、ぜひ葉にも注目してみてください。

 この植物の名の由来もまた風情があります。花が終わると、雌しべが銀白色の綿毛となって長く伸び、まるで仙人の髭のような姿に変わります。これが「仙人草」と呼ばれる所以です。

 今は花の時期、秋には「仙人の髭」となった姿もこのブログでご紹介できればと思っています。季節の移ろいとともに変化する植物の表情を、ぜひ一緒に楽しみましょう。

地域の力、平和の願いを未来に ー2学期始業式ー

2025年8月25日 09時55分
校長ブログR7

 長い夏休みが終わり、今日から2学期が始まりました。体育館に集まった生徒の皆さんの表情には、まだまだ暑い中ですが、夏の経験を経た確かな成長が感じられました。

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 始業式講話では、長い夏休みを終え、成長した生徒たちに、2学期に向けたメッセージを伝えました。

 戦後80年という節目に触れ、平和のバトンを未来へ繋ぐ責任、「想像力のスイッチを入れよう」という言葉を通して、世界の課題を自分ごととして捉えることの重要性を伝えました。

 また、夏休み中に開催された「阿南高校と地域の発展を考えるシンポジウム」で再確認した、阿南高校が地域にとってかけがえのない存在であることを改めて伝えました。

(始業式講話の内容は、下記のボタンからご覧いただけます。)

新任式・授与式

 始業式講話後、新しくみえたALTのオーロラ先生をお迎えする新任式を行いました。オーロラ先生はアメリカのユタ州出身で、日本語も堪能です。長野とソルトレイク、同じ冬季オリンピック開催地という共通点もあり、生徒たちも親近感を覚えたことでしょう。

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 また、1学期の終わりにに「介護職員初任者研修」を修了した地域探究コース福祉系の生徒9名に、修了証の授与式を行いました。2年次からの努力が実を結び、地域を支える人材としての一歩を踏み出した生徒たちを心から誇りに思います。

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 2学期も生徒たちがそれぞれの目標に向かって、実りある日々を送ってくれることを願っています。

阿南高校と地域の発展を考えるシンポジウム ー地域と学校が未来を育むためにー

2025年8月21日 20時44分
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 本日、8月21日(木)、「第1回 阿南高校と地域の発展を考えるシンポジウム」を阿南町文化会館にて開催しました。

 猛暑の中にもかかわらず、200名を超える阿南高校にゆかりある同窓生の方や地域の皆様にご来場いただき、心より感謝申し上げます。

 開会にあたり、宮島喜文同窓会長のご挨拶
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 シンポジウムは、人口減少と高齢化が進む地域において、高校が存続し、地域を元気にするための協働のあり方を探ることを目的として開催されました。私も校長として、ご来場の皆様に改めて学校概要を中心にお伝えしました。続いて、今回の提言書作成の中心的に関わったワーキンググループ座長の木下長義 氏から提言書の説明がありました。

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 基調報告では、兵庫県立村岡高等学校の今井典夫 氏と、鳥取大学教授の筒井一伸 氏が、地域と高校の連携の重要性について示唆に富んだお話をしてくださいました。特に、地域に根差した教育の成功事例などは、今後の阿南高校にとって大きなヒントとなるものでした。

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 続くパネルディスカッションでは、司会に筒井先生・助言者として今井先生の下、同窓会(木下長義 氏)、行政(阿南町長の勝野一成 氏)、保護者(PTA会長の片町元彦 氏)、地域の代表(地元スーパー経営者の杉本文良 氏)の皆様とともに、阿南高校の特色化に向けた提言書をもとに意見を交わしました。高校時代の思い出や、提言書の中で一番共感した部分、阿南高校の強みについてなど、それぞれのお立場からお話しをいただきました。

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 パネルディスカッションの中で、「阿南高校特色化に向けての提言書」で述べられている、高校と地域の存続を一体のものとして捉えるという理念が、参加者全員の共通認識として確認できたのではないかと思います。

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 今回のシンポジウムを通じ、高校の存続は地域(南部5町村)全体の課題であり、地域をあげて地域と高校の未来を一緒になって考え、支え合い、協働していくことの重要性を改めて感じることができたと思います。

 今後、提言書に示された様々な構想を実現するため、本日の共有したビジョンをもとに、地域と学校が連携し、具体的な取り組みを進めるきっかけとなることを強く願っています。

 本日はご多忙の中、遠方よりお越しいただきご講演された今井先生、筒井先生、そして、ご参加いただいた全ての皆様に、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

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 シンポジウム当日の配布資料は、阿南高校同窓会のホームページにアップしました。

阿南高生と一緒に、地域をもっと楽しくしませんか?
アイデアやご相談は、お気軽に阿南高校へご連絡ください。

阿南高校前バス停の修繕とサツマイモの成長

2025年8月12日 20時12分
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 夏休みも終盤に差しかかり、明日からはお盆を迎えます。校内には静かな時間が流れ、生徒や教職員もそれぞれ、この夏にしかできない貴重な時間を過ごしていることと思います。

 さて、今日はそんな静かな学校の様子の中から、二つの話題をご紹介します。

 一つ目は、学校前の南部公共バスのバス停です。7月22日、夏休みに入る頃から修繕工事が始まりました。

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長年にわたり、皆さんの登下校を支えてきたこのバス停ですが、冬季に撒かれる塩化カルシウムの影響もあり、床が腐食し、安全面に不安が生じていました。取り壊しも検討されましたが、下條・富草・新野・売木方面から通学している約20名の生徒のために、修繕を決断していただきました。

 猛暑の中、職人の皆さんが汗を流しながら作業を進めてくださり、現在は床と壁の設置が完了しています。

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 お盆明けには屋根の取り付けが予定されており、8月25日の始業式には、新しく生まれ変わったバス停が皆さんを迎えてくれると思います。

 そして、もう一つは、みんなで植えたサツマイモの苗です。

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サツマイモは一般的に肥料をあまり必要としませんが、今回は校庭の片隅に植えたため、土壌の栄養分が少なく、ツルの伸びが思わしくありませんでした。そこで今日、少量ではありますが肥料を施しました。

 ここ数日は雨のおかげで涼しい日が続いていましたが、明日からは再び真夏の日差しが戻ってくるとの予報です。この恵みを受けて、サツマイモが力強く成長してくれることを願っています。

 新学期、生徒の皆さんの笑顔に会えるのを楽しみにしています。新しくなったバス停と、大きく育ったサツマイモのように、皆さんがそれぞれの目標に向かって元気に突き進んでくれることを願っています。

仲間と奏でるケルト民謡 〜一人から始まったハーモニー〜

2025年8月7日 17時21分
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 連日暑い日が続いていますが、二十四節気では今日「立秋」です。昨日からの雨で、少し暑さも和らぎましたが、夏休みいかがお過ごしでしょうか。

 本日、長野県吹奏楽コンクール出場を控えた生徒たちによる演奏会が、音楽室にて行われました。ちょうど別件で、本校にお越しになっていた宮島同窓会長様、三浦同窓会事務局長様にもお声がけし、教職員とともに生徒たちの演奏を聴きました。

 生徒たちが披露してくれたのは、明後日8月9日にホクト文化ホールで開催されるコンクールで演奏する「ケルト民謡による組曲」です。

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 吹奏楽部は、現在ユーフォニアムを演奏する生徒ただ一人で活動しています。一人で熱心に練習を重ねてきた彼を、「なんとかコンクールに出場させてあげたい」という温かい想いが、多くの生徒たちを動かしました。授業で「音楽Ⅲ」を選択している仲間たちが集まり、楽器経験の有無に関わらず、共に舞台に立つことになったのです。

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 生徒たちの本格的な練習期間は、文化祭が終わった7月中旬からと短いものでした。放課後や夏休みを利用して練習を重ねてきました。短い期間で集中して取り組んだ努力は、生徒たちの演奏からひしひしと伝わってきました。

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 一人で頑張ってきた生徒と、彼を支えようとする仲間たちの気持ちをまとめ上げ、音楽科のU先生は熱心に指導してくださいました。ありがとうございました。

 明後日(8月9日)はいよいよコンクール本番です。一つのハーモニーとなってホクトホールに響き渡ることを願っております。

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 頑張れ、阿南高校吹奏楽部!

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