令和5年度校長ブログ

下伊那実験研究会 @阿南

2023年11月22日 19時40分
校長ブログ

今週、月火水の3日間で2学期期末考査が行われました。ひと先ずは、生徒の皆さん、テストご苦労様でした。日頃の地道な努力、成果は発揮できたでしょうか?休み明け、随時テストが返却されていきますが、結果に一喜一憂するのではなく、テストは終わってからが大切!次への目標を掲げて、更なる成長に向けて努力を積み重ねていくことを期待しています。

さて、生徒の皆さんがテストを行っている間の昨日(11月20日)ですが、阿南高校を会場に、『下伊那実験研究会』が行われました。飯田下伊那の高校の理科助手の先生方が集まって、日頃の経験などから、より操作しやすく、より結果が分かりやすい工夫をあれこれ試行錯誤しながら、実験の研究を行いました。その中の、【酸化・還元と電子の流れ】と【硫黄の同素体】を研究しているところに参加させていただきましたので紹介します。

【酸化・還元と電子の流れ】
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ちょっと難しい話になりますが、片方で電子を失い(=酸化)、もう片方で電子を受け取る(還元)ことによって、電子は流れます。(これが電池の原理となっていますね。)今回は、時間とともに酸化と還元の電子の授受(失う・受け取る)によって、赤紫色の電極(過マンガン酸カリウム水溶液を浸したろ紙を巻いた方)に色の変化が見られ、電圧計だけでなく視覚でも確認する実験を見せていただきました。

【硫黄の同素体】
先ず、おさらいしましょう。同じ元素なんだけど、性質が異なるもの同素体と言います。例えばダイヤモンドと木炭や石炭、酸素とオゾン、っといったものです。今回の主役は硫黄(S)なんですが、身近にあるものではないのでピンと来ませんが、硫黄の同素体には“斜方硫黄”“単斜硫黄”“ゴム状硫黄“があります。
ゴム状硫黄ですが、学校でよく使う硫黄の試薬で実験を行うと、たいていこげ茶色の汚い色のゴム状硫黄となってしまいます。硫黄らしい美しい黄色のゴム状硫黄を作るには、高純度の特級試薬(99.5%以上)を用いると、写真のようなゴム状硫黄が作れるそうです。

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続けて、斜方硫黄の再結晶化にもチャレンジしました。
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学校で何気なく行っている実験も、このような先生方の日頃からの創意や工夫などのおかげで行われていることに、心から感謝いたします。これからもアイデアを持ち寄い研究しあって、楽しくて分かりやすい実験をお願いします。