阿南高校 R6校長ブログ
日中はまだまだ暑い日が続いておりますが、季節はお盆も過ぎ秋の虫が鳴き始める8月下旬、優雅で繊細な淡いピンク色の花が咲き始めました。夏の風物詩でもある「ナツズイセン(夏水仙)」です。
スイセン(水仙)と名がついていますが、スイセンの仲間ではなくヒガンバナの仲間(ヒガンバナ科)です。葉が水仙に似ており、夏に咲くことから名がついたようです。
このナツズイセン、ヒガンバナ(彼岸花)のように花が咲く時葉がありません。そして、淡いピンク色の花は百合の花にも似ていることから「ハダカユリ(裸百合)」と呼ばれることもあるそうです。葉がなく細長い花茎の上に数輪の大型の花が咲き、バランス的も不思議な花ですね。
山野でも見かけますが、この花、古い時代に中国からわたり、人家の庭先で栽培していたものが野生化していったようです。この写真の花も、(阿南町大下条の)もと屋敷跡と思われる石垣のある空き地で見かけました。
ヒガンバナと同じく三倍体(※)で、タネは作らず土の中の鱗茎(球根のようなもの)で増えていきます。また、このナツズイセン、美しい花(植物)を咲かせますが、植物全体が有毒ですので、(ニラと)間違えて食べないように。(ヒガンバナカ、スイセンも有毒植物です。)
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※ 三倍体:通常の生物は父親由来と母親由来の染色体を2セット持つ二倍体ですが、3セットもつ個体を三倍体といいます。(突然変異の一種です。)秋に咲く「ヒガンバナ」(別名 曼珠沙華)も三倍体です。