「キブシ」(木五倍子)
2024年4月9日 21時58分サクラやコブシ、そして、ハナモモも咲きはじめ、様々な春の花が咲き競うこの季節、すだれ状に垂れて咲くキブシの花が目に留まります。クリーム色の花に垂れ下がり、その花穂の様がのれんのようにも見え、通勤途中の車窓からも確認することができます。
小さな花の中を覗くと、中央に緑色がかっためしべとその周りに黄色のおしべが見えます。調べてみると、キブシは雄株、雌株、両性株があるそうで、この写真のキブシは両性花のようです。(めしべはあるが、子房(種子ができる部分)が発達せず退化した雄株かもしれません。すみません、今回はそこまで確認しておりません。)
キブシの名の由来ですが、花の後のキブシの実にはタンニンが多く含まれ、江戸時代まで行われていた女性が歯を黒く染めるお歯黒の材料としての五倍子(フシ)が使われており、その代替にこのキブシの実が使われたことより「木五倍子」=「キブシ」と呼ばれているそうです。
キブシは低木でやや地味な花で目立ちにくいですが、桜の咲くこの季節、R 151号線沿いの富草から大下条にかけての道路脇に、春の風に揺れゆらゆらとすだれ状の花が見られます。阿南消防署あたりの地区(阿南町西條)では、毎年谷間にワイヤを渡し、何十匹もの鯉のぼりが悠々と泳いでおり、毎年この時季の風物詩ともなってます。
こちらはコブシの花(阿南町古城)、咲き競うコブシとサクラとハナノキ(阿南町富草)