続けて、この年度末をもって阿南高校を去られる先生方の離任式を行いました。お世話になった先生方に感謝の気持ちを表すとともに、先生方から教わった事を胸に刻み、阿南高校が更に良くなっていくよう、先生方の期待や熱い想いに応えていきたいと思います。
転出される先生方、それぞれの場面でご指導、ご尽力いただき、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
皆さん、おはようございます。今日で令和5年度が終了となります。
昨日は二十四節気の「春分」でしたね。また、お彼岸でもあり、春の息吹を感じる季節の変わり目でもあります。自然界では、冬の間じっと耐えていた命が、穏やかで暖かな春の光を浴び、再び活動を始めています。皆さんの高校生活も、今日で一つの区切りを迎え、新年度に向け準備を始めていることと思います。
この1年間、皆さんは様々な挑戦と成長を経験しました。勉強、部活動、友人関係、そして時には困難に直面することもあったでしょう。卒業式の式辞でシェイクスピアの「人生は選択の連続である」のメッセージを卒業生に送りましたが、毎日の小さな決断一つ一つが今の自分を形成しています。日々の経験の中の決断が、皆さんを形作る大切な一部となっています。決断し、踏み出す一歩一歩が、未来を創るための大切な大切な一歩となります。新年度もまた一緒に、学び、感じ、考え、高校生活を思いっきり歩んで欲しいと願っています。
先日のアメリカ映画回最高の栄誉とされる第96回アカデミー賞で日本作品がダブル受賞しました。新聞やニュースで大きく話題となりましたので、皆さんも嬉しく感じたのではないでしょうか?
宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメ映画賞、山崎貴監督の「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」が視覚効果賞を獲得しました。今日は、山崎監督が長野県松本出身ということもあって、ゴジラについて話をします。
皆さんはゴジラについて、どのくらい知っていますか?今回の受賞で話題になっていますが、名前と日本初の怪獣だってことは知っていますよね。ゴジラの登場は1954年放射性物質を含んだいわゆる「死の灰」が降り注いだ、アメリカがマーシャル諸島のビキニ環礁で行った水爆実験と同年、東宝が公開した特撮怪獣映画「ゴジラ」です。水爆実験によって太古の眠りから覚め、日本に上陸して東京で大暴れする設定です。ゴジラ誕生は、放射能の影響(突然変異)で生まれた怪獣とされており、人間の恐れの概念的な存在と言われてます。その恐怖の対象は、原子力・天災・死などで、ゴジラが人間を襲う理由も、人間への憎悪や自然災害と言われてます。今われわれも、ウクライナ侵攻やパレスチナガザ地区での戦闘、そして、今年元旦の能登半島地震と、抱えている苦痛・課題でもあります。
山崎貴監督は松本県ケ丘高校出身で、映画研究部に入っていたそうです。映画好きの少年で、中学生時代にもうすでに映画を撮っていいたそうです。当時に自分に「ゴジラでアカデミー賞を取ったよ」と伝えたら、「賞を取りたいと思ってずっとやってきたわけじゃない。いかに中学生の時の気持ちを忘れずに、あの時作りたかったもにどれだけ近づけるか、ということをやり続けた。『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見て、映画にメロメロになった自分に感謝している」と受賞後の記者会で話しています。また、今後については、「賞を目指す映画は好きじゃない。作りたいものを徹底的に、一生懸命やれば、もしかしたらそんな道が開けるかもしれない。そんな気持ちで作っていきたい。」と。
視覚効果賞で受賞できたことについては、「アカデミー賞の中でも聖域中の聖域」「僕らには挑戦権はなく、夢を見ることさえ許されない場所」と感じていたそうですが、今回の受賞で、「チャンスがあることを証明できた」と、話されてます。幼い頃から映画の影響を受け、アメリカの映像技術を追いかけ続けた結果、世界が称賛・喝采する作品=邦画初の視覚効果賞を受賞する快挙となりました。
今、世界は大きな変化の時を迎えています。ドローンやAIをはじめ様々な技術の進歩は私たちの生活を豊かにし、新しい可能性を開いています。それと同時に、ウクライナやパレスチナガザ地区での戦闘や能登半島地震、環境問題や社会的な課題も山積しています。
しかし、今回の嬉しいニュースを聞いて、若い時に受けた憧れや衝撃をずっとずっと持ち続け、やりたいことを徹底的にやり続ければ、道は開けるものだ、と、強く感じました。皆さんも山崎監督を見習って、徹底的に一生懸命頑張ってみてください。
4月4日、新年度の始業式には、また全員揃って元気な姿を見せてくれることを願って、話を終わります。