式辞
(前略)
さて、令和六年度を振り返りますと、 三年生のみなさんを先頭に、学習、クラブ活動に励み、多くの成果をあげてくださいました。クラブでは地区大会や発表会で活躍し、県大会などの上位の大会や発表会に出場しました。特に夏に岐阜県土岐市で開催された「清流の国ぎふ総文2024」に郷土芸能同好会が出場し、全国に「阿南高校」をしっかりアピールできたと思います。また、日頃の生徒会活動でも昨年度に引き続き、校門前の挨拶運動や学校前道路の美化活動などの地域貢献に取り組み、地元のみなさんからも感謝のお言葉をいただいています。夏の阿南祭では、一人ひとりのCOLORを大切にしながら、仲間と共に協力し合い思い出に残る「阿南祭」を作り上げることができました。仲間と絆・友情を深めながら、一段と成長したと思います。 国内においては、一年前の元旦の能登半島地震から復興への道のりが始まり、立ち直ろうとしていた矢先の九月、集中豪雨が襲い「二重の被害」という悲劇に見舞われました。一方で、科学技術の進展は目覚ましく、AI技術の社会実装が加速し、私たちの働き方や生活様式に変化をもたらしてきています。 世界に目を向けると、国際情勢は依然として不安定であり、特に、ウクライナや中東情勢は、国際社会に大きな緊張をもたらし、平和の尊さを改めて認識させられています。
皆さんの門出に際し、イソップ寓話の「3人のレンガ職人」のお話を贈ります。
あるところに、レンガを積んでいる3人の職人がいました。通りかかった旅人が、「何をしているのですか?」と尋ねると、 一人目の職人は、つまらなそうに「レンガを積んでいるんだ」と答えました。ただ単に作業としてレンガを積んでいたのです。 二人目の職人は、特に感情を表に出すことなく「家族を養うためにレンガを積んでいるんだ」と答えました。生活のために仕方なくレンガを積んでいたのです。 三人目の職人は、目を輝かせて「後世に残る壮大な大聖堂を建てているんだ」と答えました。自分の仕事に誇りを持ち、大きな目標に向かってレンガを積んでいたのです。 同じ仕事をしていても、その仕事に対する考え方や捉え方が全く異なることを示しています。この寓話から、私たちは3つの大切な教訓を学ぶことができます。
一つ目は「仕事に対する目的意識を持つことの大切さ」
二つ目は「自分の仕事に誇りを持つことの大切さ」
そして三つ目は「大きな目標に向かって努力することの大切さ」です。
どんな仕事であっても、目的意識を持ち、誇りを持ち、目標に向かって努力することで、周りからの信頼を得ることができ、自己成長にも繋がります。また、困難な状況でも諦めずに乗り越え、大きな成果を上げることができます。意識の違いで、仕事の質や成果だけでなく、人生の幸福感にも大きく影響します。先行きが不透明で将来の予測が困難な時代と言われていますが、皆さん、この教訓を忘れずに充実した心豊かな人生を送ってください。
最後になりましたが、ご多忙の中ご臨席賜りましたご来賓の皆様、本日はありがとうございました。そして、卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様のご成長を間近で、温かい眼差しで見守り支えてこられた日々が、今日の晴れ姿に結実しました。心より敬意を表します。
卒業生の皆さん、今日まで自分を育てていただいたご家族の皆様、そして、共に学んだ仲間や地域の方々、これまで支えてくださった全ての方々への感謝を胸に、それぞれの夢に向かって未来への扉を開いてください。これから出会う更なる出会いに期待を膨らませ、これからは家族や友人、そして地域や社会を担い支えていく人間へと成長していって欲しいと願っています。
皆さんの未来が、光り輝く素晴らしいものとなることを信じて、卒業式式辞と致します。
卒業おめでとう。