白く香る仙人草 —その美しさと、ひそむ注意点—
2025年8月28日 09時28分阿南高校前道路脇の法面に、ふわりと白い花がさいています。
今が見頃のこの花の名は「センニンソウ(仙人草)」。ツル性の植物で、夏の終わりから初秋にかけて、甘く爽やかな香りとともに小さな白い花を群れ咲かせます。
その可憐な姿に、思わず手を伸ばしたくなる方もいるかもしれません。
ですが、ここで少し注意が必要です。
センニンソウは、実は毒性を持つ植物。茎や葉の汁には「プロトアネモニン」という成分が含まれており、肌に触れると皮膚炎や水ぶくれを引き起こすことがあります。私自身、以前うっかり素手で触れてしまい、水ぶくれができただれてしまった経験があります。
この植物には「ウマクワズ(馬不食)」という別名もあり、馬や牛も本能的に避けるほど。見た目の美しさに惑わされず、触れたり口にしたりすることは絶対に避けましょう。
センニンソウの特徴は、十字に開く4枚の白いガク片と多数の雄しべ。よく似た花に「ボタンヅル」がありますが、葉の形で見分けることができます。センニンソウの葉は卵形で縁が滑らか、ボタンヅルは葉の縁にギザギザがあります。観察の際は、ぜひ葉にも注目してみてください。
この植物の名の由来もまた風情があります。花が終わると、雌しべが銀白色の綿毛となって長く伸び、まるで仙人の髭のような姿に変わります。これが「仙人草」と呼ばれる所以です。
今は花の時期、秋には「仙人の髭」となった姿もこのブログでご紹介できればと思っています。季節の移ろいとともに変化する植物の表情を、ぜひ一緒に楽しみましょう。