昨日12月26日(火)は、2学期最後の授業と終業式でした。冬の寒さや生徒の体調等を勘案し、オンラインでの実施でした。校長あいさつ(講話)に続いて、2学期に活躍した生徒の表彰、係(生活指導)からは休み中に関する諸注意や連絡がありました。
2学期 校長講話
皆さんこんにちは。2学期の最終日にあたり、皆さんに一言挨拶を述べさせていただきます。全校での終業式ですが、オンライン開催です。これはこれでいいもので、皆さん覚えていますか?7月末の体育館での1学期終業式、かなりの熱さで辛かったんじゃないでしょうか?今年の冬は、まだそれほどまでではないかと思いますが、寒さ対策やインフルエンザ等の感染症予防対策には、本当にもってこいの手法ですね。リラックスして聞いてください。
世界に目を向けると、ロシアがウクライナに侵攻して1年と10ヶ月経ちました。米欧は、ロシアの侵略を受けるウクライナへの軍事支援を急ぎ、巡航ミサイルなどの供与を進めており、ウクライナ情勢はまさに泥沼化、一向に終焉への兆しが見えません。また、10月7日に始まったイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘ですが、パレスチナガザ地区での戦闘死者が2万人を超え、不明者も7千人近くに上っています。多い異国でのことですが、ニュースのたび心が痛む思いです。1日でも早く、ウクライナやガザ地区に平和と安らぎが訪れることを願っております。
さて、皆さんにとってこの2学期はどうでしたでしょうか?
2学期のスタートした8月末も連日30度を超えの猛暑日が続き、日本全国的にも、世界的にも記録的な暑さだったことを思い起こします。世界の7月の平均気温が人類市場最も暑い月だったのを受け、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が記者会見で「地球沸騰化の時代が到来した。」と語り、「地球沸騰化」という言葉が瞬く間に世界中に広がりました。皆さんもどこかで聞いたんじゃないでしょうか?
「これこそが気候変動で、恐ろしいことだ。そしてこれは始まりに過ぎない」と発言し、「温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と述べたのです。「地球温暖化」という言葉では生ぬるく、表現しきれないほどの猛暑に対し、私たちは共感と驚きを感じました。
実際、世界では何が起こっているのでしょうか? 米国海洋大気圏局(NOAA)が公開した、2023年7月の平均気温を1991年~2020年の平均気温と比べた世界地図を見ると、大部分で気温が上がっていることがわかります。一番右の濃い赤色が「これまでで最高の気温を記録した場所」、その横のオレンジに近い赤色が「これまでの平均気温よりはるかに気温が高かった場所」ですが、陸・海ともにかなり広い範囲を占めています。
日本はどうだったでしょうか?気象庁によると、1898年の統計開始以降、今年7月は1978年を上回り最も暑かったそうです。東京都心のデータでは、
・8月、観測史上初の31日連続で最高気温30℃以上の「真夏日」を記録
・今年6月~8月までの3ヵ月間、35℃以上の「猛暑日」は合計22日 過去最多
豪雨による災害も増え続けており、気象庁気象研究所は集中豪雨の発生頻度が2020年までの45年間で3.8倍になったと発表しております。そして、その一因は地球温暖化だととも言われています。
今の季節は冬、“喉元過ぎれば熱さを忘れる。“の諺じゃないですが、すっかりこの夏の暑さや事務総長が発した「地球沸騰化」という言葉も忘れかけていました。しかし、このような状態(温暖化)が続くと、自然の生態系、人間の健康、世界経済に大きな影響が出ると警鐘を鳴らしています。決して人ごとではなく、人たちの未来のこととして捉えて欲しいと思います。できることから実行していきましょう。
この2学期も多くの行事や取り組みに、皆さん一生懸命取り組んでいましたね。できる限りその様子を観に授業や行事に参加させていただき、一緒に勉強させてもいただきました。また、その様子を阿南高校のホームページの「校長ブログ」に記載しました。振り返ると、特に探究学習において「新野の伝承センター」「売木の旅館・岡田屋」「和合の宮下家」などなどの校外へ、見学や体験をしましたね。
自分自身でどうして?何故?といった問いに対して、自分なりに仮説(理由や考え)を立て、情報を集めて分析・検証する。そして、プレゼン資料としてまとめたものをみんなの前で発表する。皆さんは一人ひとりがそういった探究に熱心に取り組んできました。この12月、それぞれの授業や講座などで発表会が行われ、その中から代表による「探究発表会」が1月29日に行われる予定です。今から本当に楽しみです。
さて、みなさんは事務室前の廊下に展示されている絵画に、晩秋から冬にかけてのこの季節、ちょうど「霜月まつり」や「冬祭り」が行われるこの時期に、不思議な現象が起こることを知っていますか?
校舎と校舎の合間から差し込んだ朝日がろうかの床面に反射し、絵画が光り輝くのです。
飯田市南信濃に暮らした童画家の北島新平さんの作品で、開校三十周年記念に書いていただいた油絵です。北島さんは福島県のご出身で、縁あって長野県に移り住み、結婚して旧木沢村=飯田市南信濃木沢に籍を移し、小中学校の教員を務める傍ら、飯田下伊那地域を巡って祭りなどを描き創作活動に励んだそうです。北島さんは一昨年の3月にお亡くなりになりましたが、先生が愛し絵画に残した南信州の風土や民族文化ですが、作品とともにこの先ずっと愛し、続けて欲しいと願います。
3年生の皆さんは、高校生としての冬休みはこれが最後となります。2週間足らずの冬休みですが、皆さん、それぞれの家庭や地域の年末年始を、日本の正月をぜひ大切に、そして楽しんでください。一部の皆さんは、1月中旬の「共通テスト」も迫っていますので、気を緩めずテスト当日までやれることを頑張って欲しいと思います。
そして、健康面には十分気をつけてもらい、新年の1月9日には、元気に登校してきてください。また朝校門のところに立っていますので、新年の挨拶を交わしましょう。
それでは良い新年を迎えてくれることを祈念して、話を終わります。