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3年地域文化コースの「国際文化」の授業で、元売木村地域おこし協力隊員の五月女ニーザーアレキサンダーさん(以下アレックス)が携わる売木国際センターを訪問しました。アレックスさんはベルギー生まれのドイツ国籍で4年前に売木村に移住し、外国人観光客を受け入れる拠点としてこのセンターを開所しました。
ここ1年はコロナ禍により外国からの訪問ができませんでしたが、最近の収束の状況が続けば再開の日も近そうです。
午後は売木村でヤギのミルクやチーズを作っている「TAKARAチーズ工房」を訪ねました。ここで食べたヤギミルクソフトクリームは絶品でした。
阿南高校の隣村であり、私の妻の故郷でもあるここ売木村は長野県で2番目に人口の少ない村です。近隣の村と同様人口減少と高齢人口率の増加が課題です。田舎暮らしの良さを、日本全国、外国まで発信して、売木村を様々な人に知ってほしいと思います。
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3年地域文化コースの生徒が阿南町和合で鈴ヶ沢南蛮の収穫を行いました。見ただけで絶対激辛だとわかる真っ赤に熟した南蛮を一つ一つ丁寧に収穫していきます。小1時間ほどでコンテナに2箱ほどの南蛮が取れました。その後、和合小学校が冬季に分校として利用していた校舎で鈴ヶ沢野菜について学びました。
信州の伝統野菜に指定されている鈴ヶ沢の野菜はこの地区の住民の減少とともに栽培者が減少しています。今では玉川さんと数名の方のみが細々と栽培している状況となってしまいました。
阿南高校から車で40分もかかる和合の最も奥にある鈴ヶ沢地区は、他の野菜が交雑することができないほどある意味隔離された土地です。今年できた種子を翌年に蒔くことを繰り返して鈴ヶ沢の土や気候に適応した野菜として維持されてきました。ピーマンやシシトウなど他のよく似たもっと生産効率の良い野菜を栽培することもできますが、自然交雑によって鈴ヶ沢野菜の特徴が消えてしまう心配があります。鈴ヶ沢の住民は、代々生産性よりも在来の野菜を守ることを大切にしてきたのです。
しかし、鈴ヶ沢野菜の栽培だけで生活できるほどの収穫はありません。他の仕事をしながら、鈴ヶ沢に住み着き、鈴ヶ沢の野菜を守り続けようとする玉川さんの意志と情熱には敬意を表さずにはいられません。
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2年地域文化コースの地域環境の授業で稲刈り体験を行いました。この授業では毎年泰阜村の早野さんの田んぼで田植えから稲刈りまでを体験させていただいています。雲一つない秋空の下、遥か下方に天竜川を望む風光明媚な棚田でさわやかな汗を流しました。
稲架かけが終わると、早野さんのところでとれたもち米で餅つきです。全員で餅をついた後はあんころ餅ときな粉餅をお腹一杯いただきました。
阿南町も泰阜村も年々稲作をする家が減少し、休耕田の増加が問題になっています。この素晴らしい環境で地域の農業が持続するにはどうしたらよいか、生徒の皆さんにも地域の課題として是非考えてもらいたいと思います。
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本校の第八期(昭和34年卒業)卒業生で、八期会の事務局長をしておられる川上永一様よりお手紙をいただきました。
同期の原田さんは製糸機械の設計・製造を行っている現在日本で唯一の会社である「有限会社ハラダ」の会長をなさっています。その原田会長の会社が、渋沢栄一の活躍を描いたNHK大河ドラマ「青天を衝け」の撮影に裏方として大きな役割を果たしたという内容でした。
渋沢栄一が設立に大きく関わった富岡製糸場の開業・稼働シーンで、岡谷市の蚕糸博物館に展示されている本物の製糸機械(繰糸機)を使って撮影するために原田さんの会社が分解・移動・組立を請け負ったということでした。
川上さんから本校の今後の活躍への激励と同窓会諸先輩方の活躍の報告を受けて、ますます学校の発展のために頑張らければならないと決意を新たにしました。
このシーンは10月17日の回で放映される予定とのことです。皆さんにご覧いただきたいと思います。
NHK大河ドラマ「青天を衝け」第31回(2021年10月17日放送)ホームページはこちら
岡谷蚕糸博物館のホームページはこちら
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1日(金)、阿南町と一宮市にある修文大学、名古屋市の愛知東邦大学との間で包括連携協定が締結されました。この協定により地域医療、地域行政などを支える人材育成プログラムが始まります。
阿南高校の教育目標の一つである「地域に愛着心を持ち、将来は地域を支える人材を育成する」ためにも、一度は地域を出て、専門的な学びを極め、客観的な目で地域を見つめ、地域の課題や価値を見つけて戻ってきてほしいと思っています。
そのような意味でもこの協定によって阿南高生の進学の幅が大きく広がることが期待できます。
進学面でも地域に多大な支援をしていただいている阿南高校です。
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3年福祉コースのコミュニケーション技術の授業を見学しました。9月から聴覚障害の方を講師に手話の学習をしています。今日は授業の中で、耳が全く聞こえなかったら日常生活のどんなところで困るかを話し合いました。私も仲間に入れてもらいましたが困ることが次々と出てきて、特に危険回避などの情報と人とのコミュニケーションの分野で大変苦労することがよくわかりました。どんな人も平等にコミュニケーションが取れる社会にするためにもこのような授業は生徒にとってとても大切だと思いました。
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本日の1時間目に、3年地域文化コースの地域社会で授業をさせてもらいました。授業をするのは3年ぶり、しかも初めてのオンラインということで不安と期待の授業でした。2日目ということもありスムーズにつながり、ストレスなく授業をすることができました。地域文化コースでは3学期に地元の方を招いて課題研究発表会を行うので、「探究学習入門」と称して、私が校長ブログで連載している「阿南は本当に稲作発祥の地なのか?」について調査した様子を紹介しました。
オンライン授業では目の前に生徒がいないので、授業をしていても反応がなかなかわかりません。これでいいのだろうかとい不安が常につきまといました。日頃の授業では目の前に生徒がいることによって授業が作られていることがよくわかりました。
振り返りのアンケートの回答で、ようやく生徒がしっかり見ていてくれたのだと実感し安心しました。貴重な経験をさせていただきました。
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本日よりオンライン授業です。オンラインSHRの後、各学年3時間の特編授業を行いました。様々な不具合もあり100パーセントの出来とは言えませんが、ほぼ予定通りの授業が実施できました。オンライン用の授業を組み立て直すのはなかなか大変なことですが、それぞれの先生が工夫した授業を展開していました。
明日は私も3年生の授業をします。頑張ります。
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本日より2学期が始まりました。阿南高校は無事に始まりましたが、県内・全国ではデルタ株が猛威を振るい、全県で感染警戒レベル5が発出されました。
そこで、本日の始業式は各教室でオンラインで行い、明日から3日間、全学年で自宅での完全オンライン授業に挑戦することになりました。分散登校も考えましたが、お盆明けの2週間に入る今週末までが最も心配な時期であることと、これまでこのような事態に備えて先生方が一生懸命研修をしてきましたので、思い切って挑戦することになりました。いろいろと不具合が出るかもしれませんが、やってみなければ次には進めません。わたしも木曜日に授業をする予定です。楽しみになってきました。
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遠山さんに電話をしてみると、奥様が出られました。景政さんはすでに8年前に亡くなられていましたが息子さんの景一さんが跡を継いでいるとのことでした。景一さんとも連絡が取れて、8/4にお宅を訪問しました。遠山家は古くから天竜川の流通の番所をしていた家系で、現在は神社の宮司をされています。景政さんが畑仕事をしていると大量の土器が出てきたということで専門家に調べてもらったところ、東海地方からの文化伝播に重要な位置を示す遺跡だったのです。
遠山さん宅には今でも縄文後期から弥生時代の土器や石器、矢じりなどが大量に保管されていました。
遠山さんのご厚意によりその一部をお借りしました。しばらくの間展示しますので生徒の皆さんにはぜひ見ていただきたいと思います。
この遺跡は昭和40年発掘調査されていますが、当時の阿南高校の生徒、先生が調査に直接参加していたことがわかりとても誇らしく思いました。
現在は畑に村の公共施設が建設されていて遺跡は地下に埋もれてしまいましたが、2300年以上も前からこの地に人々が住み繁栄していたことを土器を見ながら想像すると、太古のロマンを感じずにはいられません。
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稲作の始まりを弥生時代の土器から探ってみようと思った私は、天龍村平岡にあった「満島南遺跡」を調べようと思いました。
稲作は大陸から九州関西地方を経て全国に伝わったと考えられています。そうなると長野県に入ってきた一つのルートとして考えられるのが東海から天竜川をさかのぼっていったルートです。多くの文献でもこのルートを唱えています。
そうなると県内の天竜川沿いで最も南は天龍村です。前回お話ししたようにここも広い意味で阿南地域となります。そしてここに縄文時代から弥生時代中期にかけて栄えた集落の跡、「満島南遺跡」があることを知ったのです。文献にはこの遺跡から稲作文化の始まった弥生時代初期に特徴的な「条痕文(じょうこんもん)土器」ががたくさん出ていることが記されていました。
この遺跡はもともと遠山景政さんという方の畑から土器がたくさんの出てその存在が分かったというので、私は早速、遠山さんに連絡を取ってみることにしました。