阿南高校 校長ブログ(~R4年度)

売木村の1日

2021年10月15日 18時05分
校長ブログ

 3年地域文化コースの「国際文化」の授業で、元売木村地域おこし協力隊員の五月女ニーザーアレキサンダーさん(以下アレックス)が携わる売木国際センターを訪問しました。アレックスさんはベルギー生まれのドイツ国籍で4年前に売木村に移住し、外国人観光客を受け入れる拠点としてこのセンターを開所しました。
 ここ1年はコロナ禍により外国からの訪問ができませんでしたが、最近の収束の状況が続けば再開の日も近そうです。
 午後は売木村でヤギのミルクやチーズを作っている「TAKARAチーズ工房」を訪ねました。ここで食べたヤギミルクソフトクリームは絶品でした。
 阿南高校の隣村であり、私の妻の故郷でもあるここ売木村は長野県で2番目に人口の少ない村です。近隣の村と同様人口減少と高齢人口率の増加が課題です。田舎暮らしの良さを、日本全国、外国まで発信して、売木村を様々な人に知ってほしいと思います。

   

   

鈴ヶ沢南蛮の収穫をしました

2021年10月14日 14時32分
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 3年地域文化コースの生徒が阿南町和合で鈴ヶ沢南蛮の収穫を行いました。見ただけで絶対激辛だとわかる真っ赤に熟した南蛮を一つ一つ丁寧に収穫していきます。小1時間ほどでコンテナに2箱ほどの南蛮が取れました。その後、和合小学校が冬季に分校として利用していた校舎で鈴ヶ沢野菜について学びました。
 信州の伝統野菜に指定されている鈴ヶ沢の野菜はこの地区の住民の減少とともに栽培者が減少しています。今では玉川さんと数名の方のみが細々と栽培している状況となってしまいました。
 阿南高校から車で40分もかかる和合の最も奥にある鈴ヶ沢地区は、他の野菜が交雑することができないほどある意味隔離された土地です。今年できた種子を翌年に蒔くことを繰り返して鈴ヶ沢の土や気候に適応した野菜として維持されてきました。ピーマンやシシトウなど他のよく似たもっと生産効率の良い野菜を栽培することもできますが、自然交雑によって鈴ヶ沢野菜の特徴が消えてしまう心配があります。鈴ヶ沢の住民は、代々生産性よりも在来の野菜を守ることを大切にしてきたのです。
 しかし、鈴ヶ沢野菜の栽培だけで生活できるほどの収穫はありません。他の仕事をしながら、鈴ヶ沢に住み着き、鈴ヶ沢の野菜を守り続けようとする玉川さんの意志と情熱には敬意を表さずにはいられません。

   

稲刈り体験と餅つき

2021年10月7日 16時00分
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 2年地域文化コースの地域環境の授業で稲刈り体験を行いました。この授業では毎年泰阜村の早野さんの田んぼで田植えから稲刈りまでを体験させていただいています。雲一つない秋空の下、遥か下方に天竜川を望む風光明媚な棚田でさわやかな汗を流しました。
 稲架かけが終わると、早野さんのところでとれたもち米で餅つきです。全員で餅をついた後はあんころ餅ときな粉餅をお腹一杯いただきました。
 阿南町も泰阜村も年々稲作をする家が減少し、休耕田の増加が問題になっています。この素晴らしい環境で地域の農業が持続するにはどうしたらよいか、生徒の皆さんにも地域の課題として是非考えてもらいたいと思います。
   

   

   

同窓生からのメッセージ

2021年10月6日 13時32分
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 本校の第八期(昭和34年卒業)卒業生で、八期会の事務局長をしておられる川上永一様よりお手紙をいただきました。
 同期の原田さんは製糸機械の設計・製造を行っている現在日本で唯一の会社である「有限会社ハラダ」の会長をなさっています。その原田会長の会社が、渋沢栄一の活躍を描いたNHK大河ドラマ「青天を衝け」の撮影に裏方として大きな役割を果たしたという内容でした。
 渋沢栄一が設立に大きく関わった富岡製糸場の開業・稼働シーンで、岡谷市の蚕糸博物館に展示されている本物の製糸機械(繰糸機)を使って撮影するために原田さんの会社が分解・移動・組立を請け負ったということでした。
  川上さんから本校の今後の活躍への激励と同窓会諸先輩方の活躍の報告を受けて、ますます学校の発展のために頑張らければならないと決意を新たにしました。
 このシーンは10月17日の回で放映される予定とのことです。皆さんにご覧いただきたいと思います。

NHK大河ドラマ「青天を衝け」第31回(2021年10月17日放送)ホームページはこちら

岡谷蚕糸博物館のホームページはこちら

阿南町と大学との包括連携協定

2021年10月1日 14時31分
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 1日(金)、阿南町と一宮市にある修文大学、名古屋市の愛知東邦大学との間で包括連携協定が締結されました。この協定により地域医療、地域行政などを支える人材育成プログラムが始まります。
 阿南高校の教育目標の一つである「地域に愛着心を持ち、将来は地域を支える人材を育成する」ためにも、一度は地域を出て、専門的な学びを極め、客観的な目で地域を見つめ、地域の課題や価値を見つけて戻ってきてほしいと思っています。
 そのような意味でもこの協定によって阿南高生の進学の幅が大きく広がることが期待できます。
 進学面でも地域に多大な支援をしていただいている阿南高校です。

タイの高校生との交流を楽しみにしています

2021年9月22日 13時13分
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 3年地域文化コースの「国際文化」の授業に参加させてもらいました。この講座では数年前からタイの高校と様々な交流をしています。今日は元阿南町の地域おこし協力隊の飯野さんと6年前にタイから来日した松下チャリサーさんをお迎えして、今後の交流に向けてタイ語の学習をしました。タイ語の文字は母音と子音の組み合わせで成り立っているところは英語に似ていますが、母音が18種類、子音が44種類もあるので組み合わせがとても多く、読み方も似ていて区別がつきにくいのが特徴です。
 チャリサーさんに私の名前「しんや」をタイ語で書いていただいたものをお手本に自分の名前をタイ語で書く練習をしました。
 タイもコロナ禍で学校の休業が続いているようです。タイの高校生と様々な交流ができるようになることを願いながら、異文化理解の学習を進めています。
   

   

収穫の秋です

2021年9月16日 16時08分
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 9/15(水)は3年情報ビジネスコースで稲刈りが行われました。暑いくらいの陽気の中で稲刈りと稲架(はざ)かけに汗に汗を流しました。10月にはおいしいお米となって販売されます。
 16(木)は和合で鈴ヶ沢なすと鈴ヶ沢南蛮の様子を見に行きました。雨とコロナ禍の影響でナスの収穫はできませんでしたが、取れたてのナスを網で焼いた「焼きナス」は大きくて実がしっかり詰まっていて食べ応えがありました。在来種として代々和合の土地で育てられてきた伝統野菜を絶やさないために奮闘する玉川さんの野菜愛を感じながらおいしくいただきました。今後も地元阿南高の生徒の視点で何らかの取り組みができるいいなと思いました。
 伝統野菜の特集で玉川さんを取材するためにSBCが撮影に来ていました。来年の放映が楽しみです。
   

   

   

避難訓練もオンラインで

2021年9月9日 15時13分
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 現在コロナの集中対策期間ということで、本日の防災訓練はオンラインで行いました。今回は地震の発生とともに土砂災害が発生し、避難所を設営するという設定で訓練を行いました。本校体育館は災害時の指定避難所であり、グラウンドは指定避難場所並びにヘリポートとなります。阿南町の危機管理係の方のご指導の下で、生徒代表による段ボールのベッドとパーテーション作りを行いました。私も寝てみましたが段ボールとはいえかなり頑丈なベッドでつぶれる心配は全くありません。パーテーションもプライバシーが守られ、コロナ対策にもなっている立派なものでした。
 私が初任で阿南高校に赴任していた30数年前、豪雨による土砂崩れで、学校が陸の孤島になってしまったことがありました。また、土砂崩れによる飯田線の損傷で、生徒は1カ月以上天竜峡からバス通学になったこともありました。
 「災害は忘れたころにやってくる」と言われますが、近年は、忘れる前に次の災害がやってくる時代です。このような平常時の防災訓練がますます重要になってきます。
   

   

手話の授業に参加しました

2021年9月1日 14時42分
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 3年福祉コースのコミュニケーション技術の授業を見学しました。9月から聴覚障害の方を講師に手話の学習をしています。今日は授業の中で、耳が全く聞こえなかったら日常生活のどんなところで困るかを話し合いました。私も仲間に入れてもらいましたが困ることが次々と出てきて、特に危険回避などの情報と人とのコミュニケーションの分野で大変苦労することがよくわかりました。どんな人も平等にコミュニケーションが取れる社会にするためにもこのような授業は生徒にとってとても大切だと思いました。

オンライン授業しました

2021年8月26日 17時00分
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 本日の1時間目に、3年地域文化コースの地域社会で授業をさせてもらいました。授業をするのは3年ぶり、しかも初めてのオンラインということで不安と期待の授業でした。2日目ということもありスムーズにつながり、ストレスなく授業をすることができました。地域文化コースでは3学期に地元の方を招いて課題研究発表会を行うので、「探究学習入門」と称して、私が校長ブログで連載している「阿南は本当に稲作発祥の地なのか?」について調査した様子を紹介しました。
 オンライン授業では目の前に生徒がいないので、授業をしていても反応がなかなかわかりません。これでいいのだろうかとい不安が常につきまといました。日頃の授業では目の前に生徒がいることによって授業が作られていることがよくわかりました。
 振り返りのアンケートの回答で、ようやく生徒がしっかり見ていてくれたのだと実感し安心しました。貴重な経験をさせていただきました。
   

オンライン授業始まりました

2021年8月25日 16時22分
校長ブログ

 本日よりオンライン授業です。オンラインSHRの後、各学年3時間の特編授業を行いました。様々な不具合もあり100パーセントの出来とは言えませんが、ほぼ予定通りの授業が実施できました。オンライン用の授業を組み立て直すのはなかなか大変なことですが、それぞれの先生が工夫した授業を展開していました。
 明日は私も3年生の授業をします。頑張ります。
   

オンライン始業式を行いました

2021年8月24日 13時07分
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 本日より2学期が始まりました。阿南高校は無事に始まりましたが、県内・全国ではデルタ株が猛威を振るい、全県で感染警戒レベル5が発出されました。
 そこで、本日の始業式は各教室でオンラインで行い、明日から3日間、全学年で自宅での完全オンライン授業に挑戦することになりました。分散登校も考えましたが、お盆明けの2週間に入る今週末までが最も心配な時期であることと、これまでこのような事態に備えて先生方が一生懸命研修をしてきましたので、思い切って挑戦することになりました。いろいろと不具合が出るかもしれませんが、やってみなければ次には進めません。わたしも木曜日に授業をする予定です。楽しみになってきました。
   

阿南は本当に「稲作発祥の地」なのか?(4)

2021年8月17日 13時32分
校長ブログ

 遠山さんに電話をしてみると、奥様が出られました。景政さんはすでに8年前に亡くなられていましたが息子さんの景一さんが跡を継いでいるとのことでした。景一さんとも連絡が取れて、8/4にお宅を訪問しました。遠山家は古くから天竜川の流通の番所をしていた家系で、現在は神社の宮司をされています。景政さんが畑仕事をしていると大量の土器が出てきたということで専門家に調べてもらったところ、東海地方からの文化伝播に重要な位置を示す遺跡だったのです。
 遠山さん宅には今でも縄文後期から弥生時代の土器や石器、矢じりなどが大量に保管されていました。
 遠山さんのご厚意によりその一部をお借りしました。しばらくの間展示しますので生徒の皆さんにはぜひ見ていただきたいと思います。
 この遺跡は昭和40年発掘調査されていますが、当時の阿南高校の生徒、先生が調査に直接参加していたことがわかりとても誇らしく思いました。
 現在は畑に村の公共施設が建設されていて遺跡は地下に埋もれてしまいましたが、2300年以上も前からこの地に人々が住み繁栄していたことを土器を見ながら想像すると、太古のロマンを感じずにはいられません。
   
 

阿南は本当に「稲作発祥の地」なのか?(3)

2021年8月17日 12時55分
校長ブログ

 稲作の始まりを弥生時代の土器から探ってみようと思った私は、天龍村平岡にあった「満島南遺跡」を調べようと思いました。
 稲作は大陸から九州関西地方を経て全国に伝わったと考えられています。そうなると長野県に入ってきた一つのルートとして考えられるのが東海から天竜川をさかのぼっていったルートです。多くの文献でもこのルートを唱えています。
 そうなると県内の天竜川沿いで最も南は天龍村です。前回お話ししたようにここも広い意味で阿南地域となります。そしてここに縄文時代から弥生時代中期にかけて栄えた集落の跡、「満島南遺跡」があることを知ったのです。文献にはこの遺跡から稲作文化の始まった弥生時代初期に特徴的な「条痕文(じょうこんもん)土器」ががたくさん出ていることが記されていました。
 この遺跡はもともと遠山景政さんという方の畑から土器がたくさんの出てその存在が分かったというので、私は早速、遠山さんに連絡を取ってみることにしました。

阿南高等学校協力会総会が開かれました

2021年8月11日 07時46分
校長ブログ

 8/10(火)、阿南町役場にて南高等学校協力会総会が開催されました。この会は下伊那南部5町村の町村長、議会議員、同窓会、学校で運営し、本校の教育振興、育成発展のために組織された会です。阿南高校のために物心両面から支援していただいています。協議の中で、学力向上支援策の一つとして、学習塾構想について話し合われました。進学希望者の学習環境の確保という意味では放課後の公設学習塾は大変ありがたく、生徒の進路実現の大きな支援になると思います。資金や設置場所など課題は山積みですが何とか前進することを願っています。
   

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