3年福祉系 県外企業研修【後半】
2025年10月8日 09時42分 [Natu]先日、3年福祉系を対象に県外企業研修を行いました。
今回は、午後に伺いました内田工業株式会社様及び鶴舞公園の視察の様子についてお伝えします。
現在、3年の福祉の授業では地域の福祉について考える授業を行っています。
まちには様々な公共施設があり、そうした場所は、年齢や障がいの有無を問わず、多くの方に使いやすくニーズ(思いや願い)を満たせる場所であることが求められます。
今回は、まちの公園について考える機会を設け、内田工業株式会社様にお伺いしました。
内田工業株式会社様は、公園設備の設計・製造・施工を行っている会社で、特に3歳未満の子どもや障がいがある方でも使える≪インクルーシブな公園≫を手掛けているそうです。
「インクルーシブ公園」とは、約5年前にできた言葉でインクルーシブ公園とは東京五輪開催をきっかけに今全国の各自治体に浸透しつつある言葉だそうです。
そもそも「インクルーシブ」は、辞書によると多様な背景や特性を持つ人を分けることなく排除されない共生する考え方で教育現場でも用いられています。その考え方を公園でも実現させる言葉だと話を聞いて感じました。
インクルーシブ公園は決まった定義はなく、自治体によってはインクルーシブ公園と用いずに「みんなで一緒に遊べる公園」と呼び掛けている公園もあるそうです。
今回、話をお伺いし公園に求めるものとして、ウェルビーイング(遊び場を通じての幸せの獲得)やユーザビリティ(何度も行きたいと思うか)、そして個々のユーザーつまり使用する人がありのままに遊べる視点が重要だと知ることができました。その上で、他のモノづくりと比較し、長く使用することを想定するモノだからこそ、使う人の声や意見が聞き取っていくことの重要性を教えていただきました。
これまで阿南高校の福祉の授業でも利用者様主体・利用者様の思いを汲み取ることを学んできていましたが、公園や地域・公共においても同じことであることを再認識しました。
その後、社員様と一緒に鶴舞公園の視察をしました。そこには普段の公園では見られない福祉的要素を持った遊具や設備があり、視察した生徒は衝撃を受けると同時に、使用されている方がその空間・時間を楽しまれている様子も印象に残りました。
鶴舞公園を管理されている名古屋市緑化センター様にもご協力頂き、公園で実施されている福祉園芸についてご説明頂きました。障がいがある方が公園の草花を手入れされ、公園とのつながりを持つ取り組みだそうで、その他にも車いすに座ったまま草花と触れ合えるレイズドフラワーベッドの紹介をしていただきました。また、草花を使った自然体験学習についてご説明があり、生徒は実際に匂いや草花の特性を生かした遊びを体験しました。
多くの植物がある阿南町においては、こうした自然体験やワークショップは公園の利用を考えるうえで参考となるお話だと感じました。
今回、福祉の視点や職業の広さを知る目的で実施した研修は、とても充実したものとなりました。
今後の授業で生かし、学校がある阿南町や生徒それぞれの地元で還元できる学習を進めたいと思います。
今回ご対応いただきました企業様、生徒のために快くお引き受けいただき感謝申し上げます。